住宅密集地の間口7.4mの敷地に建つ、ダイナミックな吹き抜けのある家。
周囲を既存の住宅に囲まれ、採光とプライバシーを確保することが設計課題のひとつでしたが、それを吹き抜けの高窓から光を落とし込み室内の奥まで光を通すことと、内装をホワイト系にして光を反射させることで空間全体を明るくして、問題をクリアしました。
室内は木目、アイアンの階段、そして自然の美しい光が融合し、ここちよい空間を生み出しています。
リビングは吹き抜けとスケルトン階段によって視線の抜けをつくり開放感を演出。間口のコンパクトさや狭小地を感じさせないようにしています。室内はスキップフロアの空間で構成されているため、まるで3階建てのように感じられます。
階段下のライブラリースペースは、大好きな読書を楽しむお子様達のお気に入りの場所。床を一段下げることで秘密基地や隠れ家的な感覚を楽しみながら読書に熱中できます。完全に壁で囲わなくても床を下げて視線を落とすだけで、自分だけの空間を満喫できます。
また、ダイニングのベンチは座面を開ければ収納になっており、限られたスペースを余すことなく活用出来るようになっています。ご家族が愛用してきたダイニングテーブルとペンダント照明といった美しいインテリアがその横の切り取られた窓の開口によって、ひとつのアートとなり、一層美しさを引き立ててくれています。
キッチンは、シンクとコンロを分けた二の字型にすることで横移動の距離を軽減。回転移動が主の家事になっています。また、レンジフートを背面に持ってくることで空間全体をすっきり見せてつつ、シンクに立った時は家族の顔が見える配置になっています。キッチンは床が一段下がっているため、ソファに座る家族と目線を合わせやすくなっているのです。
さらに、スキップフロアを用いて寝室をつくり、縦に空間を広げてコンパクトな敷地面積をカバー。天井高を抑えた空間にある寝室は包まれているような落ち着き感があり、ゆっくりと一日の疲れをとってくれます。
間口や敷地のコンパクトさ、住宅密集地という敷地条件を考慮し、家全体をすっきりと見えるように限られた空間を上手く活用してここちよい暮らしを実現している都市型住宅です。